多焦点眼内レンズにはどんなメリットがあるのか
遠距離と近距離の両方に焦点がある
多焦点眼内レンズは、手術により眼の中に入れて使用するレンズの一種です。
レンズには焦点があり、そこに光を集めることでピントを合わせる仕組みになっています。我々の眼も近くを見るときには近くにピントを合わせますが、遠くを見るときには遠くにピントを合わせているはずです。
しかし、視力が落ちてしまったり老眼や遠視などになっている人は、このピント調整が上手くいきません。そのため、メガネやコンタクトレンズなどを使用して、ピントを合わせています。メガネやコンタクトレンズを使用すれば、裸眼でピントを合わせられない距離に対しても、ピントを合わせてはっきりと見ることができるでしょう。
ただ、メガネやコンタクトレンズも万能ではありません。遠くのみにピントを合わせたり、手元のみにピントを合わせたりすることはできますが、両方に合わせるのは難しいです。
その点、多焦点眼内レンズなら、焦点が遠距離と近距離の両方にあります。そのため、遠くと手元の両方にピントを合わせられるのが大きな魅力です。
多焦点眼内レンズが役立つ場面
多焦点眼内レンズは主に白内障手術に使われることが多いです。
白内障は中年に差し掛かるくらいの年齢から少しずつ症状が出てくる人が多く、高齢になるとほとんどの人が発症します。
軽い状態であれば、日常生活用でそれほど不便することがないため、特に手術を受けることなく過ごしている人も少なくありません。
しかし、白内障の症状が酷くなると、日常生活用に影響が出てくるため、手術を受けて治そうと考える人もいます。
そして、白内障手術を受ける人の大半は高齢者で、白内障だけでなく老眼にも悩んでいる人も多いです。
多焦点眼内レンズなら、焦点が遠距離と近距離の両方にあるということで、白内障だけでな老眼の悩みからも解放されるのが一つの魅力です。
さらに、近眼の場合でも、メガネを使い分けるようなことはしなくて済みます。自宅で読書をするときにも、ハイキングなどに行って遠くの景色を見るときにも、くっきりと見えるので快適に感じられるでしょう。