遠視とはどのような状態なのか
屈折異常が原因で起こる
目が正常な状態だと入ってきた光が網膜で焦点を結びはっきりと物を見ることができます。視力に異常がある場合には、この働きが上手くいっていない場合がほとんどです。
遠視の場合には屈折異常により、網膜よりも後ろの方に焦点を合わせてしまいます。そのため、ぼやけて見えてしまうのです。
近視だと近くがよく見えて遠くがぼやけてしまうため、遠視はその真逆だと思ってしまう人もいるでしょう。しかし、遠視の人は遠くがはっきりと見えるわけではありません。近くも遠くもぼやけて見えるのが遠視の人の見え方です。たまたまピントが合った距離だけははっきりと見えることもあります。
また、近視や老眼の人は、見えづらいのを頑張って見ようとしても、はっきりと見えるようにはなりません。しかし、遠視の人だと、見ようとして意識を集中させることで、ピントをある程度は調整することができます。そのため、普段はぼやけて見えていても、一時的にはっきりと見ることは可能です。
集中力がない子供は遠視の疑いあり
遠視は普段正常に見える範囲はかなり狭いものの、集中することで近くも遠くも一応ははっきりと見ることができます。そのため、近視や老眼の人よりも日常生活をしやすいのではないかと思ってしまう人もいるかもしれません。しかし、一時的にはっきりと見えることで、かえって不都合な場面も多いです。
例えば小さな子供の場合には、遠視になっていても、親御さんがそのことに気づくのが遅れてしまうケースがよくあります。視力検査をしてみれば、そのときだけは集中して見ようとするため、正常な視力として記録されるでしょう。普段の生活の中でも、集中すれば手元も遠くも見えるため、目が悪いことは特に疑わないケースが多いです。
遠視だと物を見るのにかなりの集中力を要するため、疲れやすくなります。子供に集中力がない場合には遠視の可能性を疑ってみましょう。遠視用のメガネをかければ、遠くも近くも特段集中力を使わずに正常に見えるようになります。そして、遠視も多焦点眼内レンズを使用した治療が可能です。